家賃が払えなくて滞納するとどうなる?退去までの流れや対処法も解説

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アパートやマンションの家賃が払えない状態において「どんな対策をしたらいいか分からない」「家賃滞納に対応してくれる制度や機関はどこ?」と疑問に思う方も多いことでしょう。

1ヶ月では督促される程度ですが、家賃の滞納が3ヶ月ほど続くと、大家さんや管理会社から強制退去を強いられてしまう可能性があります。

そこで本記事では、家賃が払えない状態から退去となるまでの流れや対処法家賃滞納が及ぼす悪影響について詳しく紹介しています。

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監修者

金子 賢司 (公式サイト)

日本FP(ファイナンシャルプランナー協会)幹事

立教大学法学部卒業後、東証一部上場企業に入社。その後、保険業界に転身し、ファイナンシャルプランナー(FP)として活動を開始。セミナーや執筆活動、個人相談業務を手掛ける。FPとして15年間活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師などを務める。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信中。
・保有資格:CFP®資格

3ヶ月以上の家賃滞納は、強制退去の可能性が高まる

まずは、家賃が払えない状態に陥った場合の流れと影響について、以下の流れで紹介します。

家賃が払えないときに知りたいポイント
  • 強制退去になるまでの流れは?
  • 期日までに払えない場合は?

3ヶ月以上家賃を滞納してしまった場合、住んでいる住宅からの強制退去を勧告される可能性が高くなります。

しかし、すぐに強制退去になるというものではなく、3か月以上の滞納に加えて、支払いを請求する内容証明便が手元に届いているにも関わらず、支払う意思が見られない場合に強制退去として処理されてしまうケースが多いです。

なお、以下3つの条件を満たすケースについては、大家さんや住宅のオーナーさんから契約解除や強制退去を申告することが許可されています。

契約解除や強制退去を申告される条件
  • 3か月以上家賃が支払われていない
  • 内容証明便を送っても支払いがない
  • 内容証明便を送っても「○日までになら払える」と相談してくる等、支払う意志がない
  • 大家と借主の間で信頼関係が築けていない

以上の内容を踏まえて「3か月までなら家賃を滞納しても問題ない」と考えている方は要注意です。

なぜなら、支払期日を過ぎてしまうと、さまざまな悪影響が出てきてしまうからです。

ここからは、家賃を滞納することでどんな影響があるのか、順番に説明していきます。

強制退去になるまでの流れは?

まず、家賃が払えない状態になってから退去を強いられるまでの流れは、以下の通りです。

強制退去までの流れ
  1. 家賃の滞納翌日〜1ヶ月後に支払いの催促がくる
  2. 1ヶ月〜2ヶ月後に連帯保証人へ支払いを催促される
  3. 3ヶ月〜6ヶ月後に契約解除の内容証明が届く
  4. 6ヶ月以降に明け渡し請求訴訟を起こされ、強制退去となる

家賃の支払期日を1日でも過ぎてしまった場合、滞納状態となります。

支払期日の翌日から損害金が発生する場合もあるでしょう。

加えて、契約者本人が家賃を支払わないことで連帯保証人である家賃保証会社や家族などに督促・支払いを求められるケースも有り、迷惑をかけてしまう可能性もあります。

さらには契約者本人の信用情報に傷がつくため、次の家をかりることはもちろん、クレジットカードやカードローンの新規契約が難しくなってしまう可能性も高くなります。

滞納を解消するためには、未納分の家賃と損害金を同時に支払わなければなりません。

また、家賃保証会社や連帯保証人に迷惑をかけたくない、家賃を滞納していることを知られたくない方は、支払期限から1ヶ月以内に滞納した家賃を支払う必要があります。

滞納状態が3ヵ月ほど続くと、大家さんや管理会社側に契約解除や法的措置が取れる権利が生まれます。

契約者本人に内容証明にて契約解除通知が届き、裁判の手続きが進んでしまいます。

滞納状態が6ヶ月以上となると、住居の明け渡し請求訴訟を起こされ、強制退去となります。

次の章で紹介する方法を意識して、可能な限り家賃の滞納を避けられるようにしましょう。

期日までに払えない場合は?

家賃が払えない状態になった方や家賃が払えなくなりそうな状況になったら、まずは真っ先に大家さんや管理会社に相談することが非常に重要です。

大家さんや管理会社によっては、分割払いや期日の延期などの対策を提案してくれる可能性もあります。

また、大家さんや管理会社に相談できずに仮に家賃を滞納してしまったとしても、なぜ家賃が支払えないのか、いつならば支払えるのかなどを伝えて、なるべく早く対処することが大切です。

家賃の滞納は部屋を借りている側・貸している側どちらにもメリットがありません。

裁判沙汰になることは、大家さんも管理会社も望まないことでしょう。

誠意をもって事前に相談することで、支払いの意思を感じてこちらの要求に応じてもらえる可能性が高くなるでしょう。

ただし、何も相談を打ち明けないまま、家賃を1か月以上支払わなかったり、収入の減額や病気などの緊急を伴う理由以外で滞納する場合は対応できない可能性があります。

また、滞納を何度も繰り返すと信頼関係が崩れてしまい、退去を求められるケースもあるようです。

家賃の支払い日や引き落とし日に間に合わないかもしれない、と少しでも不安になったら、まずはすぐに大家さんや管理会社に連絡して事情を事情を説明するとよいでしょう。

家賃滞納が及ぼす影響

家賃を払えない状態を続けてしまうと、強制退去以外に以下のような影響が生じてしまいます。

家賃の滞納は信用情報に傷が付く

家賃を払えない状態が60日以上続くと、信用情報に「長期延滞」と登録されます。

「支払いをしない人、支払い能力がない人」として取り扱われてしまうため、クレジットカードやローンなど、金融関連でさまざまな支障をきたします。

信用情報に傷がつくと、過去に家賃滞納があったことが履歴に残ります。

例えば新規でローンを組む際には、申込者の信用情報がチェックされます。

のとき、信用情報の履歴に過去にトラブルがあった記録が残っていれば、また支払い遅延を起こす可能性があるとみなされて審査に落ちてしまう可能性が高まります。

さらには新しくクレジットカードを契約できなくなったり、使用中のクレジットカードが利用停止となる場合もあります。

加えて、過去に長期にわたって家賃を滞納した経験がある方は「要注意人物」として不動産会社間で情報共有されるケースがあります。

新しく賃貸を契約しようとしても、断られてしまう可能性もあるでしょう。

さらに、保証会社を利用していた方なら、滞納した過去がある方の申し込みを断られる可能性もあります

別の保証会社を探すとしても、信用情報に傷が付いている場合は保証会社の利用自体が難しくなってしまうでしょう。

次の章では、家賃が払えない状態になった場合に活用できる「公的融資制度」について紹介します。

どうしても家賃が払えないときは公的融資制度を確認する

次に、家賃が払えない場合の対処法を紹介します。内容は以下の通りです。

家賃が払えない場合の対処法
  • 一定期間家賃を払えなければ総合支援資金制度を確認
  • 一時的に家賃が払えなければ緊急小口資金制度を確認
  • 新型コロナウイルス感染症の影響に向けた特例貸付もある

家賃が払えない方やすでに滞納してしまっている方は、国の制度「公的融資制度」によって融資をしてもらえるか確認してみましょう。

人々の最低限の生活を保証する住居については公的制度が設けられており、家賃を払えない場合なら住居確保給付金制度を確認するとよいでしょう。

住居確保給付金制度とは、失業や廃業などの理由で家賃が払えない方に対して、国や自治体が3ヶ月分の家賃相当額を支給してもらえる制度です。

正社員に限らず、パートやフリーランスの方も申請できる支援となっており、申し込みが認められた場合は、3〜4週間ほどで自治体から大家さんや管理会社宛てに給付金が支給されます。

仮に滞納期間に入ってしまった場合でも、大家さんや管理会社に住宅確保給付金で支払う予定であることを伝えれば、強制退去の可能性は低くなるでしょう。

なお、住宅確保給付金の条件は、以下の条件を満たしている方が対象です。

(1)①離職・廃業後2年以内である場合
もしくは
②個人の責任・都合によらず給与等を得る機会が、離職・廃業と同程度まで減少している場合

(2)直近の月の世帯収入合計額が、
市町村民税の均等割が非課税となる額の1/12(以下「基準額」という。)と、家賃(但し、上限あり)の合計額を超えていないこと

(3)現在の世帯の預貯金合計額が、各市町村で定める額(基準額の6月分。ただし、100万円を超えない額)を超えていないこと

(4)求職活動要件として
(1)の①の場合
ハローワークへ求職の申込みをし、誠実かつ熱心に求職活動を行うこと

(1)の②の場合
誠実かつ熱心に求職活動を行うこと

引用元:住居確保給付金 制度概要|厚生労働省

一定期間家賃を払えなければ総合支援資金制度を検討

総合支援資金とは、社会福祉協議会やハローワークからの支援を通して、生活支援費や住宅入居費、一時生活再建費などの貸付けを受けられる制度です。

なお、総合支援資金の貸付けは、貸付けを行うことによって自立することが見込まれる方を対象としています。

下記の要件に該当する状態かを確認しておきましょう。

(1)低所得者世帯(市町村民税非課税程度)で、失業や収入の減少などによって生活に困窮していること
(2)公的な書類などで本人確認が可能であること
(3)現在住居のある人、または、住居確保給付金の申請を行い、住居の確保が確実に見込まれること
(4)法に基づく自立相談支援事業などによる支援を受けるとともに、社会福祉協議会とハローワークなど関係機関から、継続的な支援を受けることに同意していること
(5)社会福祉協議会などが貸付け及び支援を行うことにより、自立した生活を営むことが可能となり、償還を見込めること
(6)他の公的給付または公的な貸付けを受けることができず、生活費をまかなうことができないこと

引用:政府広報オンライン

総合支援資金をすでに離職されている方が利用する場合は、ハローワークへの求職申し込みと職業相談をする必要があります。

まずはハローワークで、求職登録を行いましょう。また、総合支援資金は住居がある方を対象にした制度であるため、住居がない方は「住居確保給付金」の申請を行う必要があります。

なぜなら、今後住居の確保が確実に見込まれる状態になるからです。

家賃が払えず強制撤去を命じられた場合は、入居予定である地域の自治体で住居確保給付金の相談を済ませておきましょう。

なお、総合支援資金の相談や手続きは、市区町村の社会福祉協議会で行います。

窓口で手続きの説明と用紙の交付を受け、下記の書類を添えて提出しましょう。

総合支援資金の手続きに必要な書類
  1. 総合支援資金の借入申込書(社会福祉協議会の窓口で交付します)
  2. 健康保険証及び住民票の写し
  3. 世帯の状況が明らかになる書類
  4. 連帯保証人の資力が明らかになる書類
  5. 求職活動などの自立に向けた取り組みについての計画書
  6. 借入申込者が、他の公的給付制度または公的貸付制度を利用している場合、または申請している場合は、その状況が分かる書類(ハローワークが発行します)
  7. 借入申込者の個人情報を、総合支援資金の貸付けに必要な範囲において関係機関に提供することについて記載されている同意書
  8. 住宅入居費の借り入れを申し込む場合の添付資料

(a)入居する住宅の不動産賃貸契約書の写し

(b)不動産業者の発行する「入居予定住宅に関する状況通知書」の写し

(c)自治体の発行する「住居確保給付金支給対象者証明書」

  1. 総合支援資金の借用書
  2. その他、社会福祉協議会が必要とする書類

審査の結果、貸付けが決定された場合、貸付金は大家さんや管理会社などの口座へ振り込まれ、それ以外の貸付金は契約者の口座に振り込まれます。

離職者を支援する公的給付制度や、公的貸付制度を申請している住居のない離職者の中でも、給付・貸付けが開始されるまでの間で生活費の支援を必要とする方は「臨時特例つなぎ資金貸付」の活用も可能です。

連帯保証人なし・利子なしで10万円までの資金を貸付けられます。希望する方は、市区町村の社会福祉協議会の窓口で相談してみましょう。

一時的に家賃が払えなければ緊急小口資金制度を確認

※本制度は令和4年9月30日で終了しています。
参考:厚生労働省|生活福祉資金の特例貸付「緊急小口資金について」

家賃が一時的に払えない方は「緊急小口資金」の利用を検討してみてください。

緊急小口資金とは、一時的な生活困難な方に対して10万円以内の給付を実施している国の支援制度です。

無利子・連帯保証人なしで貸付を受けられるメリットがあり、詳しい内容は以下の通りです。

貸付限度額 10万円以内
据置期間※ 貸付けの日から2月以内
償還期限※ 据置期間経過後12月以内
貸付利子 無利子
連帯保証人 不要

※「受給日から2か月が経過してから12か月以内」が返済期間となる

参考元:生活福祉資金一覧|全国社会福祉協議会

緊急小口資金は、給付金を生活費に充てることで家賃が払えない状態を改善できる方しか利用できないため、注意しましょう。

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収入と家賃のバランスを見直すのが大切

家賃を払えない方や支払いが困難な方は、ご自身の収入と家賃のバランスを再確認してみましょう。

家賃の支払いが、生活の負担となっている可能性もあるからです。

収入に対して家賃の支払いの割合が高い場合は、滞納前に今よりも家賃が低い住居へ引っ越すのも方法の1つです。

急ぎでなければ、更新のタイミングで引っ越しをするのがベストでしょう。

下記の3項目に該当する方は、引っ越しを視野に入れてみることをおすすめします。

引っ越しを視野に入れるポイント
  • 何度か家賃を滞納した経験がある
  • 住居の中で使用していない部屋がある
  • 収入の3分の1以上が家賃の支払いに該当する

家賃の滞納に関するQ&A

最後に、家賃が払えない状態に関してよくある疑問を紹介します。内容は以下の通りです。

家賃の滞納に関するよくある疑問
  • 敷金を家賃滞納分の支払いに充てられないの?
  • 家賃を踏み倒して強制退去になったら、もう賃貸住宅には住めないの?

ここから、各質問について1つずつ回答していきます。

敷金を家賃滞納分の支払いに充てられないの?

滞納した家賃については、敷金に宛てた支払い方はできません。敷金とは、退去する際の原状回復費用に充てられます。

撤去によって部屋を明け渡すまでは、ご自身の都合で使用できないことを念頭に置いておきましょう。

家賃を踏み倒して強制退去になったら、もう賃貸住宅には住めないの?

滞納してしまった不動産会社や関連会社の賃貸住宅は契約が困難になりますが、それ以外の不動産会社が管理する物件なら契約可能です。

ただ、保証会社がいる場合は家賃の滞納が信用情報に残るため、連帯保証人を立てなければ審査を通過することが難しくなります。

「家賃が払えなくなりそう」と感じた場合は、早めに大家さんや管理会社に相談してください。

大切なのは、強制退去や信用情報への影響がでる前に行動することです。なお、分割払いや期限の延期に応じてもらえた方は、確実に期日を守って支払いをしてくださいね。

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